2006年10月11日

北朝鮮核実験実施 県 危機対策会議で協議

北朝鮮の核実験実施の発表を受け、行政機関や電力会社は九日以降、対応に追われた。県は危機対策連絡会議を開き、情報交換して対応を協議。各市町も情報収集を進めた。県警は情報連絡や北朝鮮関連施設などで警戒に当たった。ただ七月のミサイル発射時に比べて直ちに危険が迫る恐れは低いとして、県民を含め今のところ冷静に事態を受け止めている。(北朝鮮問題取材班)

 県危機対策・防災課は、七日から通常より一人多い三人の職員が二十四時間体制で警戒を続けていた。九日午前十一時五十三分に消防庁から一報のファクスを受け、県内の市町と各消防本部に連絡。午後二時に関係課長らを集め、安全環境部長を会長とする危機対策連絡会議を開いた。会議で原子力安全対策課は、原子力発電所用に大気中放射線量を連続観測している県内八十カ所の観測局の数値に異常がないことなどを報告した。

 西川一誠知事は、正午すぎに安全環境部長に連絡を取って情報収集に努めるよう指示した後は予定通りのスケジュールをこなした。同日午後に「わが国の安全と国際社会の平和と安定を脅かす重大な脅威であり、大変遺憾に思う」とのコメントを発表した。

 県は同日夕、嶺南に集中する放射線量観測局を坂井(坂井市)、奥越(大野市)、南越(越前市)の三つの県合同庁舎にも設置、福井市原目町の県原子力環境監視センターと合わせて、計八十四カ所での連続観測を開始。十日午後八時現在、測定結果に異常は見られないという。同センターが九日午後三時から十八時間かけて採取した、大気中のちりに含まれる核分裂時特有の粒子状物質と大気中ヨウ素の調査でも異常はなかった。県は当分の間、調査を続ける。

 県の連絡を受けた敦賀市では同日午後十二時三十分、幹部職員が市役所に集まり情報を収集。緊急に対応する必要がないことを確認した。越前市防災安全課は同時刻、実験実施の報道と県の会議開催について奈良俊幸市長に報告した。鯖江市や小浜市、おおい町なども担当者が待機して県の情報提供を受けたり連絡体制を強化したりした。

 また、県内に原子力関連施設を持つ関西電力、日本原子力発電(原電)、日本原子力研究開発機構(原子力機構)は九日、国の指示を受けて原発周辺の不審者や不審物への監視を強化し警戒に当たった。原子力機構敦賀本部は、東京や茨城などとテレビ会議を開き連絡体制を確認。関電は月一回行っている大気中のちりの調査をあらためて実施。三−六日かけてデータを評価する。

 ◇朝鮮総連県本部は目立った混乱なし

 福井市日之出二丁目の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)県本部(崔東照委員長)では核実験報道直後から県警が周辺をパトロールするなど警戒に当たった。十日にかけて目立った混乱や抗議の電話も入っていないという。同本部は「政治判断についてコメントはできない」としている。

 同市御幸三丁目の在日本大韓民国民団(民団)県本部(許晩秀団長)では、非常勤の女性職員が「団長が韓国へ行っているため、コメントできない」と淡々と普段の事務作業を進めた。

 同市南山町の北陸朝鮮初中級学校では十日朝も通常通り、児童生徒はスクールバスなどで登校。福井南署のパトカー一台が警戒に当たった。禹哲勲校長によると児童らへの嫌がらせなどは起きていないという。禹校長は核実験について「学校は政治とは関係ないのでコメントできない」と話した。

 また、同市内の韓国人女性(46)は「おかしな国。今後、両国間で何事もなければいいけど」と心配した。市内で飲食店を経営する来日五年目の韓国人女性(50)は「各国の首脳がうまく対処するはず」と楽観視した。

 ◇農作物など影響なし 県農畜産課「風評被害が心配」

 九日の県の危機対策連絡会議で、農畜産課は「過去、地下核実験で農作物に放射能の影響が出た例はない」と報告。水産課も漁獲物に影響は出ていないとし、風評被害が心配と述べた。

 福井市内の青果店は十日、「不安は全然ない。まだ昨日の話だし、影響なんてない」と一蹴(いっしゅう)。越前町漁協も「関係ない。何も変化はないだろう」と話し、不安を見せなかった。

 県は「大気中の放射線量に異常が見られない限り、農作物や海水に影響はない」としている。

 ◇地村保さん「経済制裁進めて当然」

 北朝鮮による拉致被害者の地村保志さん(51)=小浜市=の父保さん(79)=同=は「むちゃくちゃな悪あがきだ。北朝鮮は国際的にどんどん孤立していく。日本は経済制裁を進めて当然。北朝鮮はアメリカと中国を見ていて、日本を相手にしていない。今やらないとチャンスがなくなる」と、経済制裁の強化を主張した。

 さらに「核実験のことは素人だからよく分からないが、魚などに何らかの被害が出るのではないか。北朝鮮の国民が一番かわいそうだ。彼らは核実験についてどう思っているのだろう」と、北朝鮮の内情にも関心を寄せた。

 一方、「北朝鮮に拉致された日本人を救出する福井の会」の池田欣一会長(83)=同=は「米国に核の力を見せつけて二国間協議に持って行きたいのだろうが、北朝鮮はこれで一層孤立したことになる。中国やロシアも含め、六カ国での制裁に本腰が入るだろう。国際社会での北朝鮮問題は一歩前進した」とみる。

 「国連や六カ国協議が判断する前に制裁を表明した日本政府は迅速で良かった。官房長官のときから拉致問題に汗を流してきた安倍首相だからこそ素早い判断ができたのだろう」と評価した。

posted by 核怖いよ at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ■核に関するニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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